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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
99年7月9日付
こちら情報局

マイレージ2

 四月にマイレージを巡るビジネス・システムの不完全性を指摘し、知人が非常に怒っている旨、コメントした。

 文中直接の名指しは避けたものの、その航空会社の関係者からの問い合わせが入り、ああ少しは改善する意思があるのだなぁと安心していた。が、予期せず類似のことが筆者にも発生したので、再度「問題提起」をしたい。

 「ふりがな」による「名寄せ(名義照合)」の問題である。コンピュータ・システムは曖昧さを一切排除するので、同一人物の利用でも、購入時の航空券の名前のふりがなとマイレージ・カードの登録名が何らかの理由で同一でない場合、違う人による「意図的な悪用」と判断するらしく、マイレージの加算が出来なくなる。「登録システム」は担当者にご相談くださいとメッセージを発するだけだ。

 通常こうした場合、担当窓口の愛想は良い。機械(デジタル)で処理しきれない部分を人間(アナログ)が補うことが「ネット社会」の経営の基本だからだ。しかし、その先入観は見事に崩れた。

 場所は、羽田空港。行き交う顧客に盛んにマイレージ・カードの加入を勧める「専用カウンター」で、「随分とカード登録の名前と違いますね」と疑いの眼差しで見られてしまったのである。

 筆者の場合、特殊ケースかもしれないと、ぐっとこらえ名刺を差し出し、本人であることを説明させて頂いた。そうしたら今度はなんと「次回からはマイレージに記載された番号で航空券のご購入を」と諭されたのだ。

 誰が好んで数字の羅列を書き込んでまで、その会社の売り上げに貢献しようとするだろうか。ちなみにライバル社では類似の問題は起きない。

 ヒューマン・インターフェースをも含めた改善が急務のようだ。