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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
99年5月28日付
こちら情報局

ハーフスケルトン

 iMac(アイマック)が流行らせたハーフスケルトンだが、初代のブルーベリー(いわゆる青色)に続き、今ではなんと全部で五色とカラフルな構成になっている。安くて、操作し易く、野暮ったくないことから、あれよあれよと言う間に、米国に続き日本でも支持されるようになった。

 周辺機器(電源やマウス、フロッピー・ケースにラックまで)を取り扱うメーカーも、同色のスケルトン・タイプの製品を揃え、ちょっとしたiMac長者が登場している。

 さてさて、日頃から何故この五色(青色、紫色、赤色、オレンジ色、緑色)が選ばれたのかが疑問だったのだが、先日ぼんやりとパンフレットを眺めていて、あることに気が付いた。何やら、iMacを製造販売するアップルコンピュータ社のロゴと関係があるのではと考えたのだ。

 創業時にデザインされた「六色構成のリンゴ」は、ちょうどiMacの五色と黄色で彩られているのだが、たぶん黄色とオレンジ色はプラスティック関係の発色では区別がつかないので、一つカットしたのではというのが、筆者の見解である。

 今回の、生活の中にパソコンを溶け込ませたいという創業時の思想の復活は、個人ユースに限ればウェルカムだ。しかし、ビジネスユースについては、極一般のオフィスではカラフルなパソコンは浮いてしまうため、出来ればスモークグレーなどの色の追加を勧める。

 こんなことを書くと、「iMacを置いても違和感のないカタカナ職業のオフィスでどうぞ」と言われそうだが、せっかくのハイ・パフォーマンスを諦め、嘆き悲しむファンが多いことに配慮してほしい。

 同様のことは、追従したウィンドーウズ系マシンにも言えるのだが、シックという言葉が消えかかっている。