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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
00年7月21日付
こちら情報局

沖縄サミット

 本日より3日間、沖縄サミットの首脳会合が開催される。晴れの舞台に、沖縄応援団の一人としては喜びを素直に表すとともに、故小渕恵三前首相の強い意志により実現したことを再度確認したい。

 筆者が本格的に沖縄に関わり始めてからわずか数年だが、この間だけでも口先だけの政治家や財界トップ、或いはそれをサポートする事務調整屋を多々見てきた。

 日本では全体の合意だとか根回しだとかを延々と繰り返すため、前例のない決断をすることは並大抵ではない。

 再度小渕前首相に感謝申し上げるとともに、この晴れの舞台に総監督であるべき彼の姿が見えないことで、沖縄に対する国内サポーターの意気込みが半減しないことをお願いしたい。

 さて、今回のサミット、IT(情報通信技術)などという使い古るされたキーワードが持ち出されたが、ネットワーク時代での新しいITの定義は「個」を主体とすることと、「スピード経営(意志決定)」に励むことである。残念ながらどちらも日本の得意芸ではないが、アジア唯一の先進国として、また開催国として、イニシアチブを発揮してもらいたいものだ。

 先進国のみでのサミット開催については疑問を呈する向きもあるが、大局的観点から一定の討議を重ねることの意義は大きい。

 一国では難しい問題も、複数国が集まることで新たなシナジー(相乗効果)が生まれる。

 実は、こうしたアプローチは、企業間でも可能なのだが、短期的利益を優先する企業がまだまだ多く、コラボレーション(協動体制)がとられていない。

 子供サミット、南の島サミットと関連するイベントが幾つか開催されたが、経営者諸君から沖縄を主題に話し合ったとの声は聞こえてこない。