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こちら情報局


「本音のコラム」
『東京新聞』
00年1月28日付
こちら情報局

放置自転車

 都内への自動車の乗り入れに一定の料金を課すことやディーゼル・エンジン車の利用を今後抑制するなど、石原都知事の相次ぐ改革案に賛意を表したい。

 業者サイドからは「ディーゼル車の性能が向上している」「都知事の指摘は当てはまらない」「勉強不足だ」と色々騒々しいようだが、状況が改善したのは従来のディーゼル車に比べてのこと。

 一都民としては多少不便を強いられても、人間らしい生活と美味しい空気を少しでも取り戻す権利を声を大にして主張したいものだ。

 さて、まだまだ秘策をお持ちの我らが慎太郎殿に、是非是非次に解決して頂きたいことに「放置自転車」の問題がある。

 実は筆者の利用する駅前が昨年から取り締まり強化の指定を受け、放置自転車を集積所に強制輸送するなどの手段に出ているが、一向に改善する状況にはないのだ。

 調べてみると、最寄りの集積所は隣の駅にあるらしく、駅からそれほど苦にならない所にある。

 自転車を取り戻すには2500円を必要とするのだが、その程度の罰則は痛くも痒くもないようだ。

 さらに、急な取り締まりに対応するため、複数台を用意する家庭も出現し、放置台数は益々増加の一途を辿ることになる。

 事業者側にも何か罰則規定がないのかと色々調べたら、「改正自転車法」が存在し、鉄道事業者は全面的に協力する旨明記されている。同じことは大型店舗にも付置義務なるものが存在し、都からの改善指導を受ける必然性がある。

 放置自転車は喫煙同様、それぞれの立場により意見が別れるものの、幼児や高齢者さらには様々な弱者の通行の妨げになる。

 こうなると建設省に厚生省に通産省などを巻き込み、さらには運輸省にも働きかける必要がある。都知事の出番だ。