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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
05年02月25日付
こちら情報局

ライブドアのライブ感

  ライブドアによるニッポン放送株の取得。メディアでは、連日のように堀江バッシングが続いた。
 
  紳士の仮面をかぶった大人達が、ジャパニーズドリームを掴んだ若者に、やっかみ半分で絡んでいるように見えて仕方がない。唯一、民主党の岡田代表が、フォローしていた。
 
  閉塞感漂う日本で新しい産業が育つように、政府は活性化策を積極的にとってきたのではなかったのか。
 
  上場により億万長者が出る一方、負けて無一文の若者もいる。そうした新陳代謝を求めてきたはずだ。
 
  日曜日の朝。したり顔の評論家は、実際に上場もM&Aもした経験がないのに、真っ向から番組内で論戦を挑み、堀江氏に論破され、「そんなことは知らない」と開き直る。
 
  堀江社長の話をちゃんと聞き、それならば解りやすいとフォローしたのは、TBSの「アッコにおまかせ!」くらいだ。堀江氏は和田アキ子さんにフジテレビ社長との仲を取り持って欲しいと懇願していた。
 
  攻撃する側の圧巻は月曜日の日本テレビ「今日の出来事」。まずは、エコノミストがいきなり対決姿勢で、持論を展開。議論するというより、間違いを正すとでも言いたげな論調。でも、それはエコノミストとしての常識範囲内での話であり、堀江氏の望むマネジメント上の、経営戦略での話ではない。
 
  さらに同番組は、くだらない質問を10問浴びせ、堀江氏にこのまま席を蹴って帰るぞと怒られる。それでも続ける番組キャスターは「インサイダー情報を聞き出したいのか」と一喝され、突然CMに突入。そのコーナーは一方的に打ち切られた。
 
  現場は混乱をお詫びするでもなく、翌日には「ザ・ワイド」で、「今日の出来事」を受け、本人不在のまま、コメンテーターに「堀江氏は大人気ない」と言わせた。
 
  威風堂々としてほしいなぁと思っていた矢先、フジテレビとニッポン放送が緊急記者会見を行った。フジテレビが新株を引き受けて、ニッポン放送は子会社として頑張りますという内容。なんでもありかと批判していたのは誰でしたっけ。