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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
04年11月05日付
こちら情報局

電波少年的楽天野球団

 50年ぶりの新規発足は楽天で決着がついた。個人的にはどうもすっきりしない。そもそも、いつから楽天かライブドアか、どちらかを選ぶ二者択一のゲームにすり替わったのか。広き門を演出し、「どちらも合格。ただし、今年の参入分はまずは楽天から」としても良かったはずだ。イチローのCMではないが、「変わらなきゃ」の精神で変わって欲しい野球界だったが、根本は変わっていない。
 
 審査の基準は大きく二つあるという球界側の説明。経営体力と収益の柱という二つの基準。結局、大前提は「お金がかかる道楽ですよ」ということ。「篤志家でないとやっていけませんよ」というメッセージが既存オーナー側から聞こえてくる。
 
 でもそれは、従来の価値観でしかない。審査側にITを活用した斬新な事業戦略に対する理解(つまりは、審査能力)があったかは謎だ。
 
 そもそも大前提に戻れば、野球をこのままつぶしてはだめだというライブドア堀江社長の心意気に、野球界はもっともっと感謝する言葉が欲しかった。審査するとかしないとかの前に礼儀の話である。
 
 で、その労いの言葉は、楽天の三木谷社長が記者会見で吐露していた。大人だなぁ、彼らの方がはるかに大人なんだなぁ。是非、楽天には、参入したら、でかい風穴あけて、新風を吹き込み、ライブドアの分まで盛り上げて欲しい。
 
 そんなことを気にしていたら、なんと記者会見の頃には、楽天のスカウトが元明治大学野球部の一場靖弘選手のもとに出向き挨拶している。
 
 楽天のサイト上では、参入挨拶キャンペーンと題するセールが始まっていた。それも三大セール。もう、ダイエーや西武の優勝セールの向こうをはって、大キャンペーン展開中の百貨店なのである。
 
 球団はどうかといえば、既にネット上で採用募集を開始していた。
 
 これから起こるであろう楽天野球団の様々な光景に今からワクワクする。なんだか懐かしいなぁと考えていたら、そうだ「電波少年(日本テレビ)」的なんだ。