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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
04年05月21日付
こちら情報局

報道バトル

  イラク人質事件、議員の年金未納、皇太子のご発言、首相の訪朝発表、民主党の岡田代表の誕生…。
 
 相次いで起こる出来事に報道バトルは戦国時代、ロシアンルーレットの様相だ。
 
 この環境の激変に、報道番組は適応しているのか。
 
 まずは、テレビ朝日の報道ステーション。「キャスターとしては素人です」と言っていた古館@絶叫アナも、トーンを抑え気味にし、微妙にキャスター風へと変貌を遂げつつある。
 
 お隣の河野アナも、スポーツを伝えていたときには自然体で政治色が薄かったが、やはり、あのポジションに座らされると、局のポリシーやスタンスを色濃く反映したコメントとならざるを得ないのか。
 
 ニュースステーションを報道ステーションに変えるというのはこういうことだったのか。迷走しつつ、元の定位置に戻ろうとしているようにしか見えない。だったら、タイトルを変えるまでもない。
 
 次にTBS。李夫人(理不尽の洒落?)などとかましていた土曜早朝の報道番組ではみのもんた氏が、未納問題を追及(ああ、番組プロデューサーの駄洒落は顕在らしい)。ところが、看板番組のニュース23では筑紫キャスターが未納で謹慎となっている。
 
 日本テレビはやらせ事件等でボロボロだったが、イラク報道では張り切っていた。人質の帰国後の記者会見をほぼライブに近い形で放送していたので、評価を上げつつあったのだが、会見のある瞬間から、内容を流さなくなった。
 
 遅れて流される他局の放送をザッピングしていてわかったのだが、解放の際に居合わせた日本テレビのコーディネーターによる撮影をやめて欲しかったのだが、ずっとカメラを回されたという発言があった。
 
 言い分はそれぞれにあるのだろうが、都合の悪い箇所を編集して放送しないというのはいかがなものか。