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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
04年01月30日付
こちら情報局

古賀潤一郎

 日に焼けて精悍、爽やかでハンサムの古賀議員が学歴問題で一躍注目を浴びている。
 
 卒業のための単位を再度取ろうが取るまいが、歳費を受け取ろうが返そうが、そんなことに興味はない。
 
 驚くのは、その年齢だ。筆者は古賀議員とは同世代。
 
 ま、この年代はポパイ世代と言って、カリフォルニアに憧れ、いつかはあのパームツリーのあるところに行ってみたいと誰もが思っていた。
 
 UCLAのマーク入りで、アメフトウェアのような七部袖のシャツが流行っていたと記憶するし、黄色に水色のスクールカラーが眩しく、お洒落とされた時代だった。
 
 その夢のカリフォルニアに憧れつつも、海外旅行が夢のまた夢だった庶民の私達とは違い、既に米国の大学に在籍し、テニス一筋だったはずの古賀議員。別に、文武両道でなくても良かったのだ。
 
 議員になる際、ギリギリの線で色々書いたのか、書きたかったのか。あるいはテニス留学だからあとのことはよく解らなかったのか。
 
 このあたり、どうも高学歴で華麗なる経歴を誇示する民主党という政党の色を見ているような気にさせられる。
 
 いや、より正確には、元自由党所属だ。彼は、民主・自由両党が一緒になって自民党の重鎮に勝ったという、いわば合併の象徴。その躓きは、新生民主党には痛手であり、菅代表のコメントは切れが悪い。
 
 これから参議院選挙を闘う上で、身内に甘い野党というイメージが定着してしまうことの方が、民主党にはマイナスだと思うのだが、党としての意志確認が緩い。
 
 やはりリーダーがずばり断言し、切り捨てる勇気が必要ではないか。それも一発で決める勇気が。
 
 野党と与党。実は、常に攻める野党と防ぐ与党という構図がある。ラグビーでもサッカーでもアメフトでも良いが、オフェンスとディフェンスで言えば、有利な立場に野党はいつも居るのに、攻めきれない。その根底には、思った以上に実力が離されていると有権者に思わせてしまう、こうした対応の緩さが存在する。