日本テレビの視聴率操作事件に関する報告書が公表された。記者会見では、前回よりも萩原社長は真摯に反省しているように受け取れる。
筆者の本業はリスクマネジメント。日経ビジネスのウェブサイトで毎週「現代リスクの基礎知識」というコラムを担当しているが、二週にわたり、読者からの意見が殺到し、関心の高さを実感した(http://biz-inno.nikkeibp.co.jp/risk/article20031104.shtml)。
さて、当日の日本テレビの報道姿勢だが、23時過ぎの「今日の出来事」では、30分以上の時間をかけて、謝罪の内容、報道の視点からの分析を伝えた。
ただし、報道はバラエティのやらかしたアクシデントとして「冷静に」分析しているのかもしれない。
そうでないことを願うが、もし、そうであるならば、再発の可能性がある。
報告書で気になったのは、「日本テレビを含む業界全体に視聴率重視の風潮があり〜」とやや日本テレビをかばっているところだ。
あくまで、日本テレビの視聴率操作に関する調査なので、業界全体の風潮を分析に混同する必要はない。もしそうした分析を行うのであるならば、特に日本テレビが他局と比べて視聴率にこだわるかどうか、経営の手法にも言及して欲しかった。
細かい点だが、同社のウェブサイトを見ると、ウェブ上ですら「アクセスランキング・TOP40」なるコンテンツが右上に鎮座する。すなわち、様々な場面場面で、知らないうちに、社内、企業間競争が醸成されているのであろう。
もちろん、競争が悪いと言っているのではない。
だが、一度躓き、再び立ち上がろうとしているのであれば、物事をひっくり返してみても良さそうだ。日曜日の深夜に放映されているドキュメンタリーなどは良質番組。
ちょうど同社は新社屋を汐留に移し、さぁこれからというところ。
番組時間帯の編成そのものを含め、がらりと変えてみるのが体質改善の早道だ。