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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
03年10月10日付
こちら情報局

シュワちゃん

 アーノルド・シュワルツネガー氏が、米国カリフォルニア州知事に選ばれた。何も持たずにアメリカに渡った自分を受け入れてくれた国に素直に感謝し、サポートしたボランティアを真っ先に称えた。
 
 移民として来て、芸能界から政治家へ。それも肉体派。日本なら誰が該当するのだろう。イメージ的にはケインコスギ?ボブサップ?あるいはデーブスペクター??が、大阪府知事に就任する感じか・・・。
 
 アメリカというのは懐の深い国である。
 
 そういえば、日曜日の「時代を読む」でコロンビア大学のジェラルドカーティス教授が、「遅咲きに寛容な社会へ」と題し、日本社会への問題提起をしていたが、同感だ。
 
 いくつもの選択肢のどれを目指したとしても、そこそこに成功するチャンスがあり、リスペクトされる仕事に就けることが大事である。
 
 私ごとで恐縮だが、今年の一月に、十三年間勤務した大手シンクタンクを無謀にも退職した。理想のシンクタンクの創造を目指し、スタッフらと新たな一歩を踏み出したのである。
 
 一回きりの人生、留学生や沖縄などの離島の子供たちがスキルを磨き、獲得できる「場」を創造したい。そうした思いが自らを突き動かした。
 
 それは、「新陳代謝」ある社会の創造と、それを許す基幹システム作りへの旅である。
 
 幸い、中央省庁も地方自治体も、企業も地域社会も、私の会社を快く受け入れ、これまでの経験を引き継ぐことを許してくれた。
 
 そういう下地がある国なので、さぁやるぞというファイトが沸くのだが、まだまだ狭い社会が二つあるようだ。
 
 一つは、政治の世界。あの加藤の乱は一体なんだったのか?政権奪取をしくじったからと葬りさるのは、国家の損失である。
 
 もう一つはマスコミ、特にキャスターの世界。ニュースステーションの名物コメンテーターであった菅沼栄一郎氏。彗星のように現れ、マスコミにもまれ、去っていった。
 
 そろそろ、両人の「I Will be Back」を聞きたい。