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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
03年07月04日付
こちら情報局

ベッカムとタトゥ

 ベッカムとタトゥ。どちらも日本で大もて。行くところ、行くところ、大騒動。
 
 面白いのはそのマーケティング手法。一方は和を尊び、気を使う。他方は排他的、あくまでチャレンジングである。
 
 まずはベッカム。分刻みのスケジュール・・・。多少は辛い局面もあるだろうし、嫌な顔を見せたとしても、そうだよなと同情したくもなる。でも我らがベッカム様は、終始笑顔で、自分のイメージを崩さなかった。さすがだと思う。庶民の我々とは違う。
 
 でも、なぜかインタビューでの表情が気になった。うーむ、どう表現したらいいのかと思いあぐねていたら、ふと、文字が浮かんだ。「でへへ」というのがぴったりなのだ。英語がやや得意なキャリア女性らには、がっかりムードが漂っている(らしい)。
 
 で、対照的だったのがタトゥ。街中で歩く彼女たちは、実に小柄。
 
 でも態度だけはデカかった。筆者はちょうど、騒動があった音楽番組のあの時間帯、沖縄で仕事をしていて、「夜の審議会」と称する意見交換&呑み会の真っ最中。スタッフからメールが飛び込んできた。「タトゥが出てきません。大騒ぎのようです。」
 
 そうなるかなぁと、やや期待しつつ、スタッフが番組を確認していたのだが、案の定・・・。そういうマーケティングで来るだろうし、ロシアでの赤の広場でのビデオ撮影や警察への連行も箔付けの出来レースかなとも思っていた。
 
 これで、東京で(噂では国会議事堂前)ででも強行撮影したら、その突っ張り度だけは認めてあげよう、でも洒落にならない、やらないだろうなぁと思っていた。案の定・・・。
 
 さて、今後のタトゥだが、昔なら悪質なすっぽかしだし、完全にマスコミから干されるのだろうが、今は、「高度情報浪費社会」。なんでもありの状況だから、これからどうなるかは解らない。
 
 マネージャー氏は、ロシア帰国早々、秋には再度来日し、野球場とかサッカー場とか借り切って、コンサートをやると息巻いている。
 
 ああ、本当に不景気なのか日本。外タレが闊歩する、まだまだ魅力ある街なのである。