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こちら情報局


「言いたい放談」
『東京新聞』
03年04月25日付
こちら情報局

GW

 イラク攻撃や香港・広州を起点としたSARSが人々を不安に陥れている。そのためか、世の中的には海外向け旅行が全然盛り上がらない。
 
 香港については、香港返還後に、中国の特別行政地域になったことは広く知られていることだが、その略がSAR(Special Administrative Region)ということで不憫である。
 
 いや、むしろ問題は、本来の発生源と見られている中国が段階を踏んで徐々に真相を明らかにしてはいるものの、全てを制御できていないのではないかという点である。もっと隠し玉があるのではという不安が過ぎる・・・。
 
 さて、こうなると、海外に出て行く顧客側としては、こうも不安定な状態が続き、何が起こるかわからないならば、もう面倒だから今年は海外に行くのはやめようか、日本に居ましょうという発想をするのが普通であろう。
 
 ということは、国内観光にはかなりのビジネスチャンスが潜んでいることになる。
 
 が、ここで問題なのは、海外に向かわなかった人達が大挙押し寄せるだけの魅力的な商品が国内で提供出来るかどうかということだ。 
 
   国内には行ったことのない場所が多いのは確かだが、ワクワクドキドキ感が少ない。旅というのは、未知のどこかへの冒険であり、日常から離れることが目的なのだから、近場でリラックスと言われてもなぁというのが実感だ。
 
 そんなことを考えていたら、スタッフの親戚が遠くドイツから遊びに来たという。11泊13日のツアー日程は、関空から入り、成田から出るという。
 
 京都で4泊し、その間に姫路城や神戸へも行くようだ。その後、伊勢神宮、飛騨高山、松本、箱根にそれぞれ一泊し、東京に3泊するらしい。値段は私たちが欧州に行くのと同じくらいで、ホテルは超一流。
 
 欧州ツアーから往復運賃引いた価格だったら行って見たいという気になった。
 
 こうなると色々アイデアが出てくる。富裕層向けに「日本国内なりきり海外旅行」。海外観光客に紛れて、英語で巡る日本縦断旅行。
 
 「知恵は金なり」である。