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永遠なる無駄遣い


沖縄ザ・ブセナテラスビーチリゾート

永遠なる無駄遣い

(3)戦略的示唆

 全体的には好意的なトーンでまとめてあるのを理解してほしい。
 が、そこは辛口のマスター、経営戦略コンサルタントとしての指摘をしたい。
 一つは、沖縄全体に言えるのだが、台風シーズンとか冬場のイベントを考えることだ。
 あれだけの施設がありながら、夜の9時台になるとひっそりとしている。
 大騒ぎするバーとか、ラテン系の乗りの音楽がガンガン鳴っているお店があっても良い。

 海岸沿いにライトアップを施せば、少しは観光客が動くというもの。
 パックで一泊して「ハイ、さようなら」の時代は終わった。

 もうひとつは専用ビーチがないこと。たぶん夏場の掻き入れ時には施設内への一般客の立ち入りも想定されるが、これでは高級施設としてのイメージが損なわれる。

 もしかすると、敷地内という考えがあるのかもしれないが、それにしては至るところからの侵入が可能である。

 さて、ユニークなのは図書貸し出しシステム。ところが最新本があるわけもなく、カバーが外されている。本が汚されるからとカバーを外すと、本の価値も低くなる。ここはどうだろう、コミュニティとして、顧客が物を大事にするとの立場から、大判振る舞いをしてみては。意外と本を汚すようなくせ者は少ないと思う。

 さらに、この図書館システムを一歩進めて、本屋さんを経営するのも良いだろう。宿泊客の注文に応じて、書籍を充実させることも一計なのだが、検討をお願いしたい。沖縄最大の書店がホテル内にあることもユニークな存在として認知されよう。


寂しい限りの書籍がならぶ

<追記>

 実のところ、沖縄サミット開催で、ザ・ブセナテラスビーチリゾートは経営的には一息つける状況が到来しそうだ。これから一年強はサミット準備で大わらわなのだが、その後のリバウンドを考慮した経営戦略、事業戦略を早め早めに手当することが肝要だ。

(了)


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