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永遠なる無駄遣い


永遠なる無駄遣い
香港返還直前の香港、シンガポール、台北を探る

出発顛末記(4)
「台北」


 朝8時。朦朧とするなか、チェックアウトを済ませ、シンガポールのチャンギ空港へ。タクシーの中で「テレビ型の無線呼び出しシステム」をパチリ。運転手には評判が良くない。導入して間もないが、運転中には見れないとのこと。そりゃそうだ。従来の無線呼び出しがなつかしいそうだ。なんでも、地図をファックスできるので、不慣れな場所には助かるとか。でも狭い国、そんなのいらない。うーーん。先端システムの定着には時間がかかりそうだ。

 空港内はまるでどこかの植物園。ここは世界で一番美しい空港(ともっぱらの評判)。台北への同乗者に可愛い男の子を発見。パチリ(左写真)。自分の価値観(かなりハンサム)をわきまえているご様子。横でお姉ちゃんがぐずつくが、うまく写真に納められず。その後、ふたりしてビジネスラウンジの水槽の魚を叩いて遊んでいた。ラウンジ内のインターネットを利用し、会社でLinが主催のホームページ「アジア・ワンストップ」にアクセス。

 搭乗間近のゲート近くで、限定版のスウォッチを発見。しかし、荷物が多くて買えない。残念。結局機内で読むインターネット関連の書籍をゲット。

 飛行機は最新式ボーイング。オーディオの調節装置の裏はハンディフォン。クレジット・カードで電話がかけられる。音量調整兼ハンディ・フォンのこの装置、ゲーム機のコントローラでもある。形状のスーパー・ファミコンのコントローラに類似する。コードが伸ばせるのが嬉しい。

 中国系スチュワーデスはネット・サーファー。今後LA、LONDONフライトでは現地情報が届く予定。お待ちあれ。もう一人は日本人スチュワーデス。台北経由の大阪関空行きだから。先頃知人と某国ジャングルに行って来たとこ(ジャングルで何してるんだぁ)。あそこは今治安悪いよと教えたら、どうりで警備がきつかったと。飛んで半年。がんばってネ。

 いざ台北へ。一番のお気に入りのホテルは、カラオケバーの林立する古い日本人街から遠く離れた国父記念館側。ここはCETRA(対外貿易発展協会)の後ろに位置し、展示会への参加者に専門書籍部(左下写真)が人気である。欧米系ビジネスマンがよく利用する。ゴールドカウンターでのスマートなチェックイン。いつ来ても、吹き抜け(右下写真)が壮観だ。フロントの対応が欧米風に様になってきた。新しい台北を象徴するホテルであると言える。既に、夕方を過ぎていた。簡単な食事の後、ばたんキュー。

 
 

 二日目。午前中はクライアントの所で、中台ビジネスのお話。午後、台北郊外の天母へ。ここは新興住宅街である。郊外型の高島屋が立つ。アジア、特に台湾での百貨店、スーパーは勢いが凄い。一昨年訪れた台湾南部の高雄市は阪神百貨店系列があったが、フロアの両側に上下のエスカレーターがついた38階建ての高層ビルがそびえ立っていた。中台直航の中心的存在としての高雄市についてはそのうち伝えよう。

 百貨店の地下スーパーで「定点観測」。地元の台湾系ハイソのお買物状況を見学。日本の食料品が殆どそのままの形で入手可能。夕刻から「士林の夜市」に。結構、写真取るには勇気のいる場所だが、ホームページのことを考えパチリ、パチリ(下写真)。仔犬を道ばたで売っていたが、違法なのか、ただ単にシャイなのか、店のおばさんは顔を写されるのを極端に嫌っていた。その後、クライアントとのミーティング。中台ビジネスに関する報告を兼ねた夕食。

 ホテルに帰って見ると、バットマン&ロビン事件に遭遇。本当に愉快な旅になった。いや。仕事。仕事。

 三日目。午前中は台北駅前の三越へ。「定点観測」。ここでも「バンダイたまごっち」が大人気。予約すれば、月末には確実にゲットできると聞いて、揺れ動く。でも結局購入予約を諦める。移動の際、少し時間が空いたのを利用して書店へ。香港返還だの、中台ビジネスの現地の専門書を購入。知人である読売新聞北京支局高井記者の中国語版の書籍もついでにゲット。昼飯後、産経新聞台北支局長(左写真)との意見交換。スタッフもついでにパチリ。台湾の治安だの、今後の展望だの。沖縄の話で盛り上がる。行って来たばかりのようだ。

 夜は有名なショウ・ロン・ポウのお店へ。2週間程前に、コンピューターによる座席確認システムを導入。女子店員が全員がハンディ無線を腰に下げ、交信のためのヘッドフォンを頭に装着。システム導入後は混雑を解消したとのこと。店の入り口の呼び出し係の上に銀行窓口のような数字の表示器。番号が事前にもらった「番号札」と一致すれば、食事の座席テーブルの場所をもらいに入り口に出向く。待っている間に何を食べるかも記入。よく出来たデリバリシステムだ。この店の支店が東京新宿の高島屋にあるのだが、日本でも連日の混雑状況。そのうち、新宿御苑前とかに自前のビル建てて、台北と同じシステムを導入するかも知れない。顧客サービスとシステム導入のあり方を考えさせられる。と同時に連載中の「インターネットが変える金融ビジネス」の次の原稿が待っていることに気が付き、現実にぶつかる(頭クラクラ)。先進事例として使えそうだと取材敢行。写真撮影。かなりはずかしい。(日本からの旅行者だとの中国語とか台湾語の会話が背中越しに聞こえる。でも聞こえないふりをする。)ショウ・ロン・ポウはとてもジューシー。程良いサイズで、肉汁もそんなに熱くない。少なくても火傷するほど熱くはない。食べ過ぎて、やや苦しい。

 部屋に戻り、パッキング。明日の昼の便で、東京だ。台風が気になる。

 最終日。早朝、近くの豆乳屋さん(下写真)に。お店の主と意気投合。お店を紹介してやるとパチリ。パチリ。中国東北部の古典的なファーストフードみたいなもの。油で揚げた長いパン状のツイストした油條(ユー・ティアウと読む)やインドのナンの小さいような焼餅(サウ・ピンと読む)を豆乳(トウ・チャン)に突っ込んで食べるのが通だ。最近では、焼き餅に卵を挟んで、サンドイッチみたいにして食べるのが流行しているようだ。

 チェック・アウト時のフロントはなかなかのハンサム・ボーイ。完璧な発音の流暢な英語にたじたじ。誉めたら嬉しそう。アメリカのラスベガスにある大学を3年で卒業してきた秀才らしい。それよりもどこぞのボンボンとお見受けした。写真をパチリ。次に逢う時が楽しみな身のこなしである。

 飛行場へは、ボルボのリムジン・タクシー。ホテル側と契約しているハイヤー会社のがたまたま空いていて、載せてもらう。タクシーとほぼ同額でラッキー。やや渋滞。台風の影響で、中華航空のラウンジでしばしスタンバイ。途中、いそいそと操縦室に取材を敢行するも、行く先に立ちこめる台風の影響による暗黒の雲に、早々と退散。しっかりと、操縦に専念して頂く。2時間半遅れのフライトは大した揺れもなく、無事成田に到着。慌ただしい、出張が終了。

 翌日、休日出勤し、積まれた書類を整理。読んでいないメールを処理して、やっと翌週、通常業務に戻る。何本かの執筆依頼をこなしながら、多忙な毎日。


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